牛肉
Japanese Beef
イギリスのトップシェフによる和牛メニュー
レシピブック
ロンドンの有名シェフ20人よる、和牛モモ肉のレシピブック
日本産和牛は、日本ではレシピにより様々なカットや部位が使い分けられています。海外の多くの消費者や料理人は、ロイン系の部位をさしあたっては好むかもしれませんが、その他の和牛の部位にも独自の個性や可能性があります。
このレシピブックでは、日本産和牛のモモ肉をピックアップしてその魅力を紹介していきます。また本書では、和牛モモ肉へのアプローチの仕方が異なる、様々な有名シェフが登場しています。このレシピによって、さらなる和牛の発展に寄与するインスピレーションを皆様にお届けできれば幸いです。
動画
モモ肉のメニューへの活用方法
和牛は、揚げ、焼き、煮込みといった調理方法から、真空低温調理やリバースシアーリングなどの最新調理法、それに日本独自のしゃぶしゃぶや、すき焼きなどに鍋料理用に薄切りにしてもいい。想像力次第で可能性は無限大に広がります。
各シェフごとのレシピ
日本産和牛の黒ニンニクとワイルドハーブ添えボリューム満点の和牛の厚切り肉をBBQでじっくりと焼き上げ、黒ニンニクとワイルドハーブで爽やかに仕上げている
アダム・ハンドリング 氏
アダム氏は「Gleneagles」で史上初の見習いシェフとして働き始め、その後「Fairmont」で最年少の料理長に就任しました。スコットランドの「シェフ・オブ・ザ・イヤー」、英国料理連盟の「シェフ・オブ・ザ・イヤー」、フード&トラベル アワードの「シェフ・オブ・ザ・イヤー」など、数々の素晴らしい賞を受賞しています。最近では、一般投票と著名な業界審査員による投票によって、2020年英国GQのフード&ドリンクアワードにて「レストラン・オブ・ザ・イヤー」を受賞しています。
グレイズド和牛の串焼きマリネした和牛の串焼きを、バーナーで炙って艶を出した作品
アクワシ・ブレニャ・メンサ 氏
アクワシ・ブレニャ・メンサ氏は、ロンドンを拠点に活動する、ガーナ系イギリス人の多分野クリエイターで、空間デザインを通じて、アフリカンフューチャリズムの概念を探求しています。彼の作品は、食、アート、伝統を通じたストーリーテリングを中心に展開され、ロンドンの中心部にあるレストラン「Tatale」をはじめ、現在までに様々なインスタレーション・アートを発表しています。すべての作品は、現在と未来における、黒人のディアスポラ意識の慣習、考察、そして政治に「ブラック・ファンクション」の哲学を持ち続けています。
和牛のタルタル、アゲゲパンとホイップした和牛の脂を添えて西アフリカ風の和牛のタルタルに、スモークして焦がした唐辛子、アゲゲパンとホイップした和牛の脂を添えて
アヨ・アディエミ 氏
サンフランシスコの「Taj Campton Place」やシンガポールの「Tippling Club」でのキャリアを経て、英国に戻ったアヨ・アディエミ氏は、西アフリカ料理の高級レストラン「Akoko」を率いることになりました。アディエミ氏の料理は、彼のルーツと高級レストランの系譜を融合しています。「Akoko」では、西アフリカ料理の伝統的な味に最大限の敬意を払うと共に、巧みな技術と高品質の食材を扱うことで、その魅力を最大限に引き出しています。
和牛のコンフィとヘレフォード産カタツムリのトルテリーニ、骨髄、フェンネル、ナスタチウム添え分割したシンタマを、牛脂を使って柔らかくコンフィにし、36時間の低温調理の後に圧縮して冷やし、トリュフ風味のチキンムースとスライスしたヘレフォード産カタツムリを、小さなトルテリーニに仕上げたもの。骨髄とコンフィしたフェンネルのスープ、刻んだフェンネルとピリッとしたナスタチウムの葉を添えて完成。和牛と骨髄のコンソメスープは、和牛の切り落としで作られ、テーブルサイドで注がれる
ベン・ボイネムズ 氏
ベン・ボイネムズ氏は、メイフェアにある「Beaumont Hotel」のエグゼクティブ・シェフです。「Pétrus」 や「 Claridge」ではゴードン・ラムゼイ氏と働いた経歴があります。「Capital hotel」ではエリック・シャヴォ氏の元で修行し、「Goring」ではヘッドシェフとして迎えられました。彼は、素材と風味を第一に考えた料理を提供しています。
和牛ウチモモのハンバーグミンチした和牛をグリルし、とろけたグリュイエールチーズをトッピング。アヒルの卵の目玉焼きとペッパーコーンのソースを添えて
ベン・ホブソン 氏
ベン氏は、ミシュランの星を獲得した「Galvin at Windows」で、見習いシェフとしてキャリアをスタートさせました。この間、2021年にボーンマス&プール・カレッジから、3年間のスペシャルシェフ認定を取得しました。2020年12月には「Bob Bob Ricard」のヘッドシェフに就任し、2022年5月には、同グループのシェフ管理者に抜擢されました。ベン氏は、オーナーのレオニード・シュトフ氏と連携し、長年受け継がれてきた定番メニューと、いくつかの新しい人気メニューを作り出しました。
タパス風、和牛ウチモモの一口サイズステーキの缶詰この料理のコンセプトは、日本産和牛を手軽に楽しむこと。日本の和牛をあまり敬遠せず、高価すぎるものと思わないでほしい。もっと気軽に、もっとたくさん楽しんでもらいたい。そんな想いで、日本の贅沢な和牛のイメージを一新するため、缶詰の料理に仕上げた
斉藤 大吉 氏
シェフの斉藤氏はユニークな経歴の持ち主です。日本では、日本食の料理人としてだけではなく、バーテンダーの経歴もあります。日本以外でのキャリアは、現在20年以上に及びます。2017年には、スペインで行われたタパスの世界大会で銀メダルを獲得しました。自身のYouTubeチャンネルでは、日本食や和牛の素晴らしさを伝え、料理の知識と彼のキャラクターによって、多くのファンを喜ばせています。斉藤氏は、和牛を知り尽くし、様々な分野で活躍する日本を代表するシェフの1人です。
和牛のロースト、ボルドレーズソースとスモークしたマッシュポテト添え和牛のロースト、スモークしたマッシュポテト、和牛の脂で揚げたニンジン、クロケット、マッシュルームのピクルス、ボルドレーズソース
ダニエル・プッツ 氏
シェフのプッツ氏は、「Ritz」などロンドンの一流レストランで経験を積んできたことに誇りを持っています。彼は、季節感があり、誰もが楽しめる伝統的かつ現代的な素晴らしいイギリス料理を作るための努力を続けています。旬は食材によって定義され、仕入先や生産者と直接結びついています。プッツ氏は、15歳でこの業界に入ったときと同じ情熱を持ち、すべてのお客様に特別なダイニング体験を提供することを目指しています。彼は、自分のキャリアを通じて学んだ知識と技術を、後輩のシェフたちに伝えることにも情熱を注いでいます。それが「Milestone Hotel & Residences」のエグゼクティブ・シェフとして、このプロジェクトに携わることになった大きな理由でもあるのです。
日本産和牛のチミチュリ、アスパラガス添えスライスして焼いた日本産和牛のアルゼンチンスタイル。チミチュリをかけ、アスパラガスを添えて
フランコ・シマリ 氏
ロンドンにある「Bife Grill」では、シェフのフランコ氏が厨房の指揮をとり、ステーキをはじめ、クラシックでモダンなアルゼンチン料理を、インダストリアルな雰囲気の中で提供しています。「Bife」は、アルゼンチン料理の代表的なレストランであり、フランコ氏は、アルゼンチンを代表するプライドと誇りをもっています。彼のモットーは、「情熱が私たちを前進させる」。彼と彼のチームは、仕事を愛し、伝統的な技術を通して、日々ファインダイニングと料理へ情熱をもって取り組んでいます。
日本産和牛の串焼き、英国の炭火で黒にんにく、スモーク骨髄、ワイルドガーリックを塗った日本産和牛の串焼きを、英国の炭火で焼き、ローストしたエビのオランデーズソース、パセリ、赤タマネギ、ヨーグルトサラダを添えて
ジェームス・ナペット 氏
ジェームス・ナペット氏は、世界で最も高い評価を受けた数々のレストランで働いた経歴があります。彼はケンブリッジシャー州で修行し、「Restaurant Gordon Ramsay」と「Petrus」の厨房でキャリアを積んだ後、リック・ステイン氏の「The Seafood Restaurants」、トーマス・ケラー氏の「Per Se」、「Noma」ではレネ・レゼピ氏と働くようになりました。「Kitchen Table」は2012年にオープンし、2014年にミシュラン1つ星を獲得。2018年には待望の2つ星を達成し、現在もその座を守り続けています。
一口サイズの日本産和牛、タルタルとキャビアをカリッとしたポテトの上にカリカリの角切りポテトと和牛のタルタル、スモークチーズにキャビアをトッピングした一口サイズの料理
ジョン・スコティダス 氏
ジョン氏は、ギリシャ系南アメリカ人のシェフで、南アメリカとアジアの影響を受けた現代的なギリシャ料理を提供しています。パナマで生まれ育ち、ギリシャに移住したジョン氏は、これらの食文化を理解し、個性的で現代的な手法で組み合わせた料理を作り上げました。アテネの有名な「Le Monde institute」で料理への情熱を培い、レストラン「Mazi」と「SuziTros」のエグゼクティブシェフとして注目されるようになりました。現在は、「zēphyr」と、ロンドンの「EggRun」の共同オーナー兼料理長を務めています。
和牛のロースト、柚子コショウ、黒ニンニク、ほうれん草日本産和牛のソトモモを焼いて、柚子コショウを塗る。やさしく蒸したほうれん草を添え、マスターストック(滷水)を使った発酵黒ニンニクソースで仕上げた
キンバリー・ヘルナンデス 氏
「The Silver Birch」は、キンバリー・ヘルナンデス氏がアジアから受けた影響を、ヨーロッパの伝統的な料理で表現した、軽やかな味わいと純粋な風味にこだわったレストランです。彼女は、「Heston Blumenthal」、「St. John Restaurant」、「Mathias Dahlgren」で腕を磨き、「The Fat Duck」、「 Chef’s Table at Brooklyn Fare」を経て、「Xu Teahouse Restaurant」、アンドリュー・ウォン氏の「Kym’s」を率いました
温かいオックステールスープをかけた和牛のスライス、エクスムーアキャビア、セロリ、ライ麦のパン粉を添えてこのスープには深い味わいがあり、和牛に優しく火を通して脂を溶かし、ライ麦のパン粉に水分を補って、柔らかくより美味しく変化させる。セロリは料理の旨味と調和し、キャビアは新鮮さと楽しい食感を与えてくれる
オリー・ダブース 氏
世界有数の厨房で黙々と腕を磨いた後、2012年に自身の名を冠したレストランをオープンし、ロンドンの料理界に登場したオリー・ダブース氏。現在、彼はロンドンで最も大胆なレストランの一つである「Hide」の指揮をとり、素晴らしい環境の中で、象徴的な食材を使った料理を提供しています。
和牛のタイ風炒め和牛の炒め物、ローストしたトマトとチリジャム、パイナップルビネガー、クリスピーエシャロットを、蒸したジャスミンライスと一緒に
セビー・ホルムズ 氏
セビー氏は13歳でシェフのキャリアをスタートし、イギリス料理で修行を積んだ後、2008年にアジアを旅行した際にタイ料理に魅せられました。ロンドンに戻ったセビー氏は、ジェーン・アルジー氏が高い評価を得た「The Begging Bowl」で働き始め、その後、ソーホーの「Smoking Goat」に移り、ヘッドシェフとして1年以上を過ごしました。2016年、ポップアップ、サパークラブ、プライベートケータリングイベントを経て「Farang」が誕生し、ロンドンで人気を博しています。
和牛のフライドステーキ和牛のニューオリンズ風フライドステーキに、ネギのピューレ、チャイブ、ぶどうジュース、キャビアを添えて
スレイド・ラッシング 氏
スレイド・ラッシング氏は、アメリカ南部の料理の伝統を幅広く受け継いでいます。ミシシッピ州南部出身で、幼い頃からフレンチ・クオーターでの料理で育った彼は、家の敷地内でウサギやコマドリを撃ち、庭の野菜と一緒にその場で調理することもありました。ジョンソン & ウェールズ大学の料理学科を首席で卒業したラッシング氏は、その後ニューオリンズ、サンフランシスコ、ニューヨークの一流厨房で経験を積みました。現在、コヴェント・ガーデンの「Loui London」で厨房を指揮し、世界各国の料理とクレオール料理を組み合わせた料理を提供しています。
和牛のフラットブレッド薪でローストした和牛のフラットブレッド、キャラメリゼしたオニオン、新鮮なアボカドのスライス、ハラペーニョ、スパイスの効いたエダムチーズを添えて
ヒメナ・ガヨッソ 氏
ヒメナ氏はメキシコシティで育ち、有名なメキシコ人シェフ、マルタ・オルティス氏の代表するレストラン「Dulce Patria」でプロの料理人としてのキャリアをスタートさせました。2017年、ヒメナ氏はロンドンに移転し、マルタ・オルティス氏の英国初のレストラン「Ella Canta」のグランドオープンに携わり、その後、イーストロンドンの「Brat」で活躍しました。ヒメナ氏は、2021年5月にヘッドシェフに任命された、カリフォルニア風メキシコ料理レストラン「Madera at Treehouse London」で、10年以上経験を積んでいます。