牛肉

Japanese  Beef

アメリカのトップシェフによる和牛メニュー

レシピブック

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ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク及びその近郊都市の有名シェフ15人による、和牛カタロース肉とウデ肉のレシピブック

日本産和牛は、日本ではレシピにより様々なカットや部位が使い分けられています。海外の多くの消費者や料理人はロイン系の部位をさしあたっては好むかもしれませんが、その他の和牛の部位にも独自の個性や可能性があります。

このレシピブックでは、日本産和牛の「カタロース」と「ウデ」をピックアップしてその魅力を紹介していきます。また本書では、和牛の「カタロース」と「ウデ」へのアプローチの仕方が異なる、様々な有名シェフが登場しています。このレシピによって、さらなる和牛の発展に寄与するインスピレーションを皆様にお届けできれば幸いです。

動画

日本産和牛をめぐる新たな旅 – 和牛の魅力へヴァーチャルトリップ –

日本畜産物輸出促進協議会(J-LEC)が実施する、海外のシェフやブッチャー等を日本に招いて、和牛の魅力や取扱方法を普及する招へい事業。今回は、米国でルレ・エ・シャトーを受賞した経歴のある日本人シェフ、黒部慶一郎さんが参加し、和牛農家との交流や、食肉学校での講習を体験した。海外から日本に訪れることが難しい昨今、この記事や映像が、和牛を扱う皆さんにとってのヴァーチャルトリップとなれば幸甚である。

カタロース肉とウデ肉のメニューへの活用方法

和牛は、揚げ、焼き、煮込みといった調理方法から、真空低温調理やリバースシアーリングなどの最新調理法、それに日本独自のしゃぶしゃぶや、すき焼きなどの鍋料理用に薄切りにしてもいい。想像力次第で可能性は無限大に広がります。

各シェフごとのレシピ

和牛カタロースのタルタル、イクラと炙った海苔を添えて寿司飯の上に和牛カタロースのタルタル、イクラを乗せ、炙った海苔を添えて

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chefブランドン・ライス 氏

シェフのブランドン氏は、幼少期から食への興味が強く、料理が好きな子どもでした。ニューヨーク州ハイドパークのカリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカで料理の学位を取得した後、スペインのレストラン「Quique Dacosta」など、ヨーロッパ中の名高い厨房で活躍しました。帰国後、ボストンの有名店「Clio」で修行した後、サンフランシスコの「Coi」で働き、北カリフォルニアの料理に初めて触れることになります。その中で、オーナーシェフのダニエル・パターソン氏が地元の新鮮な食材にこだわる姿勢を目の当たりにし、当地を自分の故郷にしたいと思い始めます。その後、サンフランシスコの「Rich Table」で料理長として5 年半を過ごしました。ここで彼は、自分を表現する料理スタイルを見つけたのです。

カタロースのすき焼き和牛カタロースを薄切りにし、すき焼き風に仕上げたもの。山椒の粉をかけ、ピンクペッパーのピクルスを添え、卵黄のコンフィソースをつけて

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chefデービッド・ヨシムラ 氏

デービッド・ヨシムラ氏は、ニューヨークで料理人としてのキャリアをスタートし、「Asador Etxebarri」をはじめとする、数々の有名レストランにて海外進出も果たしました。ニューヨークでの経験の後、レストラン「Californios」のオープン1 年目からチームに加わり、初のミシュランスターの獲得に貢献。その後、ワイン等の知識を広げるため、認定ソムリエ試験に合格しました。「Californios」を退社後、彼は自身の様々な経験を生かし、ベイエリアで日系アメリカ料理の新たなアプローチをもたらすべく、このレストランのオープンに目標を定めました。

和牛のティユラ・イトム炭火でミディアムレアになるまで焼き上げた串焼きに、ココナッツクリームを塗り、レモングラスの調味料を振りかけて和牛の旨味を引き出した、ティユラ・イトムの新しいスタイル。温かいティユラ・イトムのスープ、プチトマト、香りと美しさを添える炭焼きオイルを添えて

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chefフランシス・アン 氏

フランシス・アン氏は、サンフランシスコで生まれ、幼少期をフィリピンで過ごしました。幼い頃のマニラにある家族の台所では、豊かな味わいと魅力的な料理の香りに溢れていました。この家庭料理が彼の記憶に刻まれ、19歳のときには、マニラからサンフランシスコに移り住み、シティ・カレッジ・オブ・サンフランシスコの料理学科に入学しました。卒業後は、ミシュランの1つ星レストラン「Gary Danko」で働き、サンフランシスコの一流レストランで腕を磨きました。その後「Fifth Floor」で料理の腕前を発揮しました。デビッド・バジルガン氏の指導のもと、Food & Wine 誌の「ピープルズ・ベスト・ペストリー・シェフ」、Zagat 誌の「30 アンダー30」を受賞しました。

和牛のタルタルショウガとニンニクのソースをたっぷりかけた和牛カタロースのタルタルに、サツマイモの角切り、ブロッコリー、ミント、ゴマを添えて

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chefルイス・クアドラ 氏

マイアミで生まれ育ったルイス氏は、小さなレストランで働きながら学士を取得しました。自分の本当の情熱はプロとして料理を創ることにあると気づいた彼は、いつの日かシェフになることを目指して、ニューヨークの料理学校へ再入学しました。彼は、マンハッタンにある様々なキッチンで腕を磨きました。卒業後はハワイに移り、「The Ritz-Carlton, Kapalua」で働きました。その後、カリフォルニアに移り、「 The Ritz-Carlton, Los Angeles」で働くことになりました。数回の昇進と他のホテルでの経験を経て、2021 年にエグゼクティブシェフとして「The West Hollywood EDITION」チームに参加しました。

和牛のトウガラシ、ザアタル詰めラーンゴシュにクルミ、チリ、ザクロのディップを添えて和牛トウガラシに、ラーンゴシュポテトブレッド、ブルーサンフラワー・タヒニ、粗挽きクルミ・ムハンマラ、チェリートマト、ルッコラを添えて

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chefナンシー・オークス 氏

アメリカのシェフのパイオニアであり、過去数十年にわたり多くのシェフに影響を与えてきたオークス氏は、その寛大さと一貫性、そしてビジョンが高く評価されています。「Carnelian Room」や「Alexis Tangie」でのキャリアから、高い評価を得ている「Boulevard」や「Prospect」に至るまで、レストランのあらゆる側面を経験したオークス氏は、豊かなホスピタリティ精神を身に付けています。彼女は異国の文化や料理の探求者として常にたゆまぬ努力を続けています。

韓国風ユッケに梨、醤油、生姜、ごま、大根、うずらの卵を添えて和牛、大葉、梨、うずらの卵を使った韓国風タルタル

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chefペドロ・ガルシア 氏

メキシコのグアダラハラで生まれ育ったシェフのペドロ氏は、17歳の時に「Disneyland Hotel」で働き始め、そこで料理への情熱を抱くようになりました。彼は、自分のキャリアを導いてくれた才能あるシェフの下で働けたことを幸運に思っています。「Disney’ s Grand Californian Hotel」にあるレストラン「Napa Rose」の立ち上げとオープン、「Patina Restaurant Group」や「Tinseltown Studios」、ラグナビーチにある「Five Feet Restaurant」、そして「THE RANCH Restaurant, Saloon, and Events Center」で10 年間の経験を積み、食の業界に携わって25 年です。

和牛カタロースのウニ握り日本の二大輸出品である寿司と和牛の組み合わせ。大トロに匹敵する霜降りと上品な味わいの和牛カタロースに、ウニを合わせ、トリュフと海塩を乗せて

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chefフィリップ・リー 氏

フィリップ氏が食の世界に足を踏み入れたのは、若い皿洗いとしてでした。その後、クイン・ハットフィールド氏やステファン・リヒター氏が率いるロサンゼルスの一流レストランを渡り歩き、シカゴの名店「Alinea」や「L2O」でも修業を積みました。妻でパティシエのマルガリータ氏とともに、2013 年にスクラッチクッキングのメッカ「Scratch Bar」を、その1 年後には野菜を中心としたコンセプトの「Gadarene Swine」をオープンしました。2015 年、リー氏は「Scratch Bar」をビバリーヒルズからエンシノに移し、食の純度と体験を重視した完成されたコンセプトを実現させました。

日本産和牛のロモ・サルタード和牛カタロースのロモ・サルタード、ポテトのコンフィ、ニンニク、玉ネギの葉、ドライトマトを添えて。ロモソースを少しかけ、風味を引き立たせる

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chefリカルド・ザラテ 氏

ロンドンの「One Aldwych」や「Zuma」での経験を通して、新しい料理や食材への情熱が高まりました。2011年、ザラテ氏はモダンなペルーのカンティーナ「Picca」を発表し、大成功を収めました。2019年2月、ザラテ氏は、ウエストロサンゼルスに、家庭的なアメリカ料理にラテンやアジア、その他各国の味が吹き込まれた終日営業の郷土料理店「Pikoh」をオープンしました。

和牛のカルネクルーダのタルタルとカルパッチョ和牛ウデ肉のカルパッチョにカルネクルーダのタルタルを挟み込んだ美しい一品。海塩と砕いた4種の胡椒をブレンドした調味料で味付け、ラディッシュとクレソンのサラダを添えて

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chefセス・トリアンスキー 氏

バーモント州バーリントンで生まれ育ったシェフのセス氏が気に入っている場所は、料理、チーム、道具や技術のエネルギーに浸ることのできるキッチンです。彼の規律、好奇心、向上心、そして技術への敬意により、極上のイタリア料理、ワイン、おもてなしで知られるサンフランシスコのミシュラン2 つ星レストラン「Acquerello」の料理長となることが可能となったのです。2015 年、セス氏はオーナーシェフのシュゼット・グレシャム氏が率いる老舗レストラン「Acquerello」のチームに加わりました。副料理長として在籍して2年で、料理長に昇格しました。シュゼット氏と、ジェネラルマネージャーのジャンカルロ氏から、シェフとしての役割に対するより総合的なアプローチを学びました。二人は彼に、サービスについての哲学と、サービスに対する深い理解や敬意を教えたのです。

和牛ウデ肉のケサビリア和牛のウデ肉をトルティーヤで包み、とろけるチーズを添え、コンソメをディップして食べるビリア風メキシコ料理の新提案

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chefヴァル・カントゥ 氏

テキサスで生まれ育ったカントゥ氏は、父親がメキシコ料理店とトルティーヤ店を経営していたこともあり、食を大切に考える家庭で育ちました。テキサス大学オースティン校を卒業後、料理の道を選びました。サンフランシスコに移り、レストラン「Benu」や「Saison」を経た後、「Sons & Daughters」では、同店が初めて星を獲得したときのスタッフとして活躍しました。カントゥ氏はその後独立し、ポップアップストアのレストランを開きながら、2015 年初めに「Californios」を正式にオープンさせました。この高級レストランは、すぐに評判となり、2016 年のサンフランシスコ版でミシュランの星を獲得しました。

日本産和牛のタルタル和牛カタロースのタルタルを創作。温泉卵、山芋、ネギ、ショウガ、キャビアを添えて

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chefヨーヤ・タカハシ 氏

京都で生まれ育ったシェフのヨーヤ・タカハシ氏は、俳優になることを夢見て渡米し、ロサンゼルスに移住しました。当座の生活費を稼ぐために働き始めたリトル・トーキョーの寿司屋でその良さを見出します。その後、日本で寿司の修行に励みながら良き師と巡り合い、寿司への情熱が開花しました。タカハシ氏の食に対する姿勢は、新鮮で地元産の旬の食材に深く根ざしており、それが彼の個性的な流儀の基礎となっています。そしてタカハシ氏は、この構想を「Hamasaku」の総料理長として実現させました。「Kodō」では、日本の伝統と現代の技術を融合させながら奏で続けています。「Kodō」は、雰囲気、デザイン、人、コンセプトなど、シェフであるヨーヤ氏の情熱の「鼓動」を表現しています。

和牛の旨味ピューレ、ビターグリーンレリッシュ、オセトラキャビア添えウデ肉のメダイヨンを旨味ピューレに乗せ、キャビアをトッピングし、ハーブオイルをかけたもの

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chefチャーリー・ミッチェル 氏

チャーリー・ミッチェル氏は「Clover Hill」のエグゼクティブシェフ兼共同経営者です。ブルックリンにあるこの親しみやすいレストランは、洗練されたフランス料理と、新しいアメリカ料理が融合した、モダンなメニューを提供しています。デトロイトの「Forest」でキャリアをスタートさせ、そこで料理の基礎を身につけ、テクニックを磨きました。高級レストランへの憧れとディテールや素材へのこだわりから、ニューヨークの「Per Se」を含む、ミシュランの星付きレストランの舞台を目指すようになりました。2020 年、彼はワシントンD.C. に移り「Jônt」をオープンし、ミシュラン2 つ星を獲得しました。ニューヨークに戻った後「One White Street」のチームに加わり、その後「Clover Hill」の再オープンを指揮しました。

スモーク和牛コサンカク旨味マリネをすり込んだ和牛コサンカクのグリルしたものを、薪を炊いたスモーカーで仕上げたもの。レタスラップ、コリアンダー、バジル、パパイヤと春雨のサラダ、バジルとスイートタマリンドとナムプリックの3種類のディップとともに

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chefクリストファー・アレヤネス 氏

エグゼクティブシェフのクリストファー・アレヤネス氏は、人生の大半を、様々な人々のために料理を作りながら過ごしてきました。彼のキャリアは祖母の厨房から始まり、トーマス・ケラー氏の「Per Se」、ダニエル・フム氏の「Eleven Madison Park」、「The Nomad」、ミシュランの星付きベジタリアンレストラン「NIX」など、世界のトップレストランで腕を磨きました。クリス氏は、ホスピタリティ業界の様々な分野でキャリアを積み重ね、活躍してきました。現在、ニューヨークの「KYU」でエグゼクティブシェフを務めています。

和牛ウデ肉のスパイスグリル & シトラス和牛のタルタル(1)和牛ウデ肉のスパイスグリル、キュウリの酢漬け、発酵ファッロ、黒ニンニクの醤油ジェル
(2)和牛ウデ肉とヨーロッパアカザエビのシトラスマリネ、オクラのピクルス、フレズノチリ、海草ビールのフォカッチャ

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chefジョー・アンソニー 氏

ジョー・アンソニー氏は、ニューヨークのミシュラン2 つ星フレンチレストラン「Gabriel Kreuther」で料理長を務めています。フロリダ出身で、ミシュラン2 つ星の「Daniel」や「The Modern」など、ニューヨークで最も評価の高い厨房で経験を積んできました。「Gabriel Kreuther」のオープニングスタッフとして、ルレ・エ・シャトーやAAA ファイブダイヤモンドアワードなどの栄誉を獲得することに貢献しました。

和牛ボロネーゼコロッケ、和牛のタルタル、レリッシュ、和牛の雪和牛、ポークソーセージ、パンチェッタ、ポテト、パルミジャーノ・レッジャーノを組み合わせた和牛カタロースのコロッケは、和風イタリアンの代表的な料理。和牛の脂と柔らかさが、他の食材にとてもよく合う。揚げたてのコロッケに、和牛のタルタルと牛脂の雪をのせて

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chefロビー・フェリーチェ 氏

シェフのロビー氏は、彼の父親であるジョー・フェリーチェ氏が複数のレストランを経営していたため、まだ歩く前からレストランで過ごしていました。レストラン業界に慣れ親しんだ幼少期を過ごした後、彼はカリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカに入学し、2011 年に卒業しました。その後、ニューヨークの伝説的なレストラン「Babbo」とラスベガスの「B&B Ristorante」で何年も働き、副料理長になるとともに、ラスベガスの多くの店舗で塩漬け肉料理(Salumi)を手掛けてきました。